09藤野:博士課程(後期)に入ると、さらに研究ペースも人それぞれ、バラバラになります。修士論文を書くのはだいたいみんな同じくらいのペース、2~3年で書くけど、博士論文は書くペースも本当にバラバラ。6年くらいかける人もいれば、もっと時間をかける人もいる。早川:9年までは博士課程(後期)に在籍できるので、休学をして時間をフルに使えるようにする人もいますしね。藤野:社会人で働きながら研究している人もいれば、留学生のように研究だけに専念できる人もいる。いろんな人の様子を見ながら自分の研究ペースを作っていくのは大変です。休みを取るのもすごく難しくて、時間が空いても、つい「研究しなきゃ」と考えてしまう。早川:そうそう。休みができても、つい「文献読んでおこうかな」と考えるから、常に何かに追われているような感じになる。こういう話をしていると院にマイナスのイメージを持たれそうですが(笑)、いいことももちろんあって、たとえば学会に出てトップの先生や実践者の方々と話ができるのは、院生ならではだと思います。社会人だと仕事が忙しくて、なかなか学会にも出席しにくいし。藤野:それぞれの境遇が違いすぎて、比較ができないんですよね。院生の私と社会人を比べても意味がない。同期でも、日本人院生か留学生かでも全然違います。木原:留学生の場合は休学ができませんからね。休学すると帰国しなきゃいけなくなるから、休学できる日本人院生とは事情が違う。藤野:そうなんです。境遇が違うのに、比べてどうこう考えてもなあと……院で研究を進めていく上で「他人と比較しない」ことはとても大切なことだと思います。木原:「我が道を行く」みたいな気持ちの強さ、自分の研究、実践、軸を大切にすることは、院で学ぶのに欠かせないでしょうね。髙坂さんは博士課程(前期)を出たあとは就職予定ですが、就職先もすごくこだわって探していますよね。いくつか打診はもらっているようですが……髙坂:実は、まだ決まっていません。木原:雇用条件ではなく、自分のしたいこと、やりたいことにつながるかを大切にされてますからね、髙坂さん。早川さん、藤野さんは、まずは博士論文ですね。藤野:はい、まずは博士論文をちゃんと書き上げなきゃいけないな、と。もし書けたら、そのときは大学の教員・教職とか、研究員としてやっていければと思っています。早川:私の場合は一旦仕事をしてから博士課程(後期)に戻ってきたので、もうあとは研究者の道になるしかないかなと思っています。博士号を取ると現場にはちょっと戻りにくくなってしまいますし。学生さんに伝えたいこともあるし、研究者として福祉業界を良くしていけたらなあ、という思いもあります。木原:確かに、修士号取得までは専門職として就職の道がありますが、残念ながら欧米とは違い博士号を持った実践家は稀で、博士号を取得するとほぼ大学や研究所の道に進むのがオーソドックスな進路になりますね。ふたりとも、じっくりと自分のこだわりを言語化し論文としてまとめていってほしいと思います。研究テーマにこだわり、「自分」を貫き研究すること髙坂:大学院に入って思ったのですが、自分でテーマを決めて、自分でスケジュールを立てて研究していくことは、結構孤独だな、と。学部のときは、大学に行けば自分の気持ちなどを気軽に話せる友だちがいたけど、院に入ると同世代の友人がほぼいなくなるので、そういうことができないので……
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