知的障害者について、本人とその家族に焦点を当てて研究しています。本人はもちろん、親やきょうだいという家族に対してどのような支援ができるのかを特に考えています。知的障害を持つ人は、現在の日本では社会参加がしにくい、つまり自立して生きていきにくい状況に置かれがちです。障害者の面倒はその家族が見るべきであるという考え方も根強く残っていて、成人後もほぼずっと家族と同居せざるを得ない人がほとんどです。このような状況から、障害者の親支援に関する研究は今までもされてきました。さらに最近は、当事者のきょうだいに対する支援や研究もされるようになってきました。しかし私は、知的障害者を支える負担感は「親」「きょうだい」と分けられるものではなく、家族全体に共通してあるものではないかと考えています。そうであれば「家族」全体に対し、より包括的な支援がされるべきではないのか。そう考えて、研究に取り組んでいます。今まで、障害を持つ子どもが通うデイサービスや、障害を持つ人の就業を支援する事業所等でアルバイトをし、現場を見ていろいろ学んできました。また、私自身も知的障害者のきょうだいです。こういった経験を元に研究を深め、将来は、ソーシャルワーカーの卵である学生たちに対し、知的障害者当事者だけでなく家族にも視野を広げて考えるよう伝えられる教育者になりたいと考えています。博士課程(前期)少子高齢社会が抱える福祉課題の理解を深め、解決に寄与できる人材へ少子高齢化社会を迎え、多くの福祉課題が発生しています。博士課程(前期)の目的は、その解決に向けた社会福祉の制度・政策、地域福祉、対人援助それぞれの基礎知識や相談援助スキルを身につけることです。そして国際的な視点と社会科学的知見から、さまざまな社会問題について探求し、その解決に向けての行動・発信ができるレベルまで自己を高めます。最終的には、社会福祉の基礎にある価値観や倫理観を習得し、福祉社会の健全な発展に寄与できるような人材を目指します。バランスのとれた知見・スキルをベースに高度な専門性を身につける博士課程(前期)のカリキュラムは、大きく5つの群に分けられます。「A群:基礎科目および科学的調査方法論の習得を目標とする科目」「B群:社会福祉の思想・歴史」「C群:社会福祉のマクロ、メゾおよび国際社会福祉」「D群:社会福祉のミクロ」「E群:社会福祉の分野及び関連領域」です。これらの5群のカリキュラムを取ることで、専門分野を持ちながらも、それだけに偏らないよう、バランスの良い知見とスキルを身につけます。そして、深めた自分の研究成果を修士論文にまとめ発表することを目指します。博士課程(後期)政策企画・提案ができるレベルの能力を目指す博士課程(後期)は、前期で身につけた知識・スキルをより高度なものに発展させる場です。基本的な知識を高度な専門知識へ、相談援助スキルをより現場に密着したものへと高めつつ、より広い国際的な視野を身につけます。さらに社会福祉というテーマに対する探求、行動、発信のすべての分野において、より高いレベルを目指します。最終的には、福祉社会の健全な発展のために、多様な視点や価値観から考え、ハイレベルな政策の企画や提案、実践ができるような研究職等にふさわしい人材を目指すことが目標です。活発な議論により知見を深め、博士論文を作成する博士課程(後期)のカリキュラムは、研究指導科目と授業科目に分けられます。研究指導科目では、指導教員の指導のもと博士論文を完成させます。授業科目には「セミナー」「社会福祉学総合演習」などが含まれ、活発な議論を通じ知見を深めます。研究内容は学会報告や学術論文で定期的に発表するほか、課程の最後には博士論文としてまとめ、発表します。博士論文の作成においては、博士論文予備発表会、博士学位論文提出予備審査を受け、指導教員および副指導教員、そのほかの教員からも指導を受けます。07社会福祉学専攻 博士課程(後期)藤野 真凜大学院で学べること私の研究計画「親」「きょうだい」の区別のない包括的な「家族」支援を考える
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