劉:社会学は何でも研究対象にできるのが面白いと思っています。私はもともと中国の大学で日本語を専攻していましたが、修士課程からずっとここで家族社会学を研究しています。中心的なテーマは中国都市部の女性のライフコース選択です。金:僕は同志社大学のグローバル地域文化学部から社会学研究科に入りました。社会学専攻を選んだのは、卒業論文を書いているときに、自分の関心テーマとの関係で、板垣先生に相談したのがきっかけです。研究テーマは1980年代の指紋押捺拒否運動なのですが、インタビューなど社会学調査の基本を知らなかったので、最初は大変でした。柳下李:私は他大学の法学部で国際法を学んでから同志社の社会学研究科に入ったのですが、修士1年目の今年の春学期は、社会学部の授業を学部生と一緒に受けるなどして基礎的知識を学ぶので精一杯でした。あっという間に時間が過ぎたように思います。板垣:社会学の研究対象は「社会的なもの」なら何でもありですが、きちんと理論や調査方法の裏付けがあって、はじめて社会学になります。劉:自分にも関わりがある問題を研究テーマにできる面白さもあります。中国の女性の間では今、結婚願望や出産願望が薄れてきています。LGBTに対する意識も変わってきました。そのような変化の中、若い女性がどのような人生を選択していくかというのは、私自身にとっても大きな関心がある問題です。柳下李:私は国際法をケーススタディ的に学びたいと思っていたのですが、そのときにちょうど社会学専攻の森先生がフランスを中心に移民問題を研究されていることを知りました。まさに私が研究したかったテーマだったので、ここだ!と思って試験を受けました。板垣:そういえば、今回集まっていただいたみなさんは、ご自身の置かれた状況やルーツに関わる問題を研究テーマにされていますね。柳下李:自分にも関連があるテーマだと、勉強する熱量も違います。今はすごく勉強が楽しいです!金:僕の場合は、加えて先行研究に対する違和感も研究のモチベーションになっています(笑)板垣:既存論文で満足できるなら、自分で研究する必要はありません。むしろ、先行研究に納得がいっていないからこそ研究したくなるんですよね。学部生の方には、卒論執筆時に先行研究にもの申したいことがあればぜひ院で深く研究していただきたいと思います。劉:先生とディスカッションもしやすいですしね。「教えてもらう」ではなく「一緒に勉強しよう」というスタンスで話せるのもいいと思います。先生がおっしゃることはあくまでひとつの意見で、その意見を採用するかどうかは自分次第。板垣:学部生は卒業したら他の業界の人になるのですが、院生になると同業者の卵としての付き合いになるので、教員側の意識も少し変わります。博士課程(後期)在籍劉 宇婷博士課程(後期)在籍金 由地博士課程(前期)在籍柳下李 詩歩20大学院で社会学を研究する意味板垣:今回は社会学専攻の院生による座談会ですが、今日集まった方はみなさんたまたま社会学部以外の学部から進学して来られた方ですね。先生との距離の近さが大学院の特徴柳下李:大学院は規模感が小さく、先生との距離も近いのがいいですね。気軽にお話ができるので、そこは学部との大きな差だと思います。板垣 竜太教授
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