本山:私はまさに、一度就職してから戻ってきた人です(笑)中川:学部を卒業して、それから一度教員になったんですよね。本山:はい、中学の教員になったのですが、ちょっと思うところがあってすぐに辞めました。もう一度勉強し直したいと考えたのが院に戻ったきっかけです。学部生のときから中川先生にはずっとお世話になっていたので、「すみませんもう一度お願いします」みたいな感覚でした。許:私は留学生です。母国で日本語を専攻して、身につけた日本語能力を活用しようと日本に来て、同志社の大学院に入りました。中川:「大学院に入ったら研究者になるしかない」というイメージを持っているのか、学部から上がって来る人は相対的には少ないですね。決してそういうことはないと思うのですが……博士課程(前期)を修了したあとに就職する人もとても多い。本山さんも博士課程(前期)を修了したあと、また教員に戻っていますしね。本山:はい。私は博士課程(前期)には結局3年いたのですが、その間に小学校の教員免許を取り、今は小学校の教員をしています。中川:これが博士課程(後期)まで進むとなると、研究者の道に進む人がほとんどになってしまうのですが……許さんは進学予定でしたね。許:はい。日本で進学するか、帰国して進学するかで迷っていますが、いずれにしても研究を続けるつもりです。中川:許さんのように博士課程(後期)を目指す人というのは、少なくとも教育文化学専攻では実はあまり多くないように思います。修士号を取ったら教員になったり、いろいろな機関に就職したりして社会に出られるのではないでしょうか。本山:教育文化学専攻の院生は、学部では教育以外の分野を専攻していたという人も多いですよね。さまざまな分野に詳しい人と話ができるので、視野が広がったり新しい気づきを得たりすることもよくあったように思います。許:そうですね。教育というと学校をイメージする人が多いと思います。しかし、教育文化学は必ずしも学校の話だけではない。私は、外国にルーツを持つ子どもの教育支援について研究しているのですが、これは学校の外の話です。研究内容も、実際に支援している現場に行ってインタビューをするなどのフィールドワークが中心なので、学校という場所だけにはこだわっていません。本山:逆に私は文献研究が中心でした。研究テーマは、学部生のときから竹内敏晴について取り上げていたのですが、簡単に言うと、子どもの主体性、「子どもが本当に主体的に活動するということはどういうことなのか」という話です。中川:同じ教育文化学専攻でも、本山さんや許さんの研究は大きく違います。みなさん、本当に様々なテーマで研究していますね。過去には、映像授業という切り口から見たVtuberの研究をした人もいました。インドの思想家を、外国の文献を中心に論じた人もいる。教育文化学だからといって、直接教育に関わることしかできないとは限りません。おそらく学部生の方々が考えている以上に幅広い分野の研究ができる学問なのではないかと思います。博士課程(前期)在籍許 愛林博士課程(前期)修了生本山 恭仁子16「教育文化学」は思われている以上に多様な研究ができる場所中川:教育文化学専攻は、一度就職してからまた大学院に戻って来られる方や留学生の方も多く在籍していますね。中川 吉晴教授教員+現役+修了生座談会教育文化学専攻
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