同志社大学大学院社会学研究科パンフレット
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佐伯:そうですね。「学際研究」と私もよく言いますが、特にメディア社会論、メディア文化史は幅広い範囲をカバーしている学問です。だから私も、みなさんの研究テーマを見るたびに「こういう研究もメディア学の研究としてありえるんだ、若い人たちはこういう関心を持っているんだ」とすごく刺激を受けています。宮城:学部のときに佐伯先生の授業を受けたことがあります。ドラマや映画を見ながらの授業だったと思うのですが、当時はジャーナリズムや報道系の授業を多く取っていたので、ドラマなども学問としての研究対象になるのかと非常に面白く感じました。佐伯:宮崎駿作品の場合は、児童文学のアニメ化、つまり活字メディアから映像メディアへの変更というメディア横断的要素があるので、社会科学と人文学の学際研究になりますね。黄さんの場合は、ジェンダー論の研究でもありますし。黄:女性として、ジェンダーには関心があります。興味を持つようになったきっかけは、日本のアイドルグループなのですが(笑)メンバーが出演するドラマを見ているうちに、女性の描かれ方に興味を持ち始めたんです。日本に来て、語学学校で勉強しているときに佐伯先生の論文を読んで、この先生のもとで勉強したいと同志社を受験しました。合格したときはとてもうれしかったです。佐伯:ありがとうございます。そう言ってもらえるとうれしいです(笑)宮城:メディア学専攻の院生で、僕のように学部から上がってくる学生の比率が下がってきたという話を佐伯先生はされていましたよね。メディア学を志望する人は、理論を研究するよりは実地の経験を積みたがる印象があります。佐伯:特に文系については、大学院に行ってしまったら一般企業に就職しにくいのではと考える人もいるようですね。メディア学専攻については、専門知識をいかしやすい業界があるので、そうとは限らないと思うのだけど……宮城さんは博士課程(前期)を修了したら就職するのですよね。宮城:はい、地元のテレビ局に内定をいただいています。僕はもともと院に進んだきっかけが、学部生のときに就職活動をしていて自分の力不足を感じたことでした。まだまだ浅いところでしか理解できていないし、文献を読むのも足りていないな、と。院に入って、自分の関心ある授業を中心に取って、先生と一対一で論文を指導してもらって……関心を伸ばせるだけ伸ばせるのは、大学院のいいところだと思っています。黄:理論を学ぶのは楽しいです。本を読んだり先生と話をしたりして「そうか、こういうことがあったからこういう現象が起きたのか」とつながる瞬間はとても気持ちいい。わかった!という爽快感。宮城:「あ、これやん」となる瞬間は面白いですよね。昭和のCMのワンシーンにアニメが使われていて、それを研究してみたらイギリスの社会背景にたどり着き、さらに研究するとまた日本のアニメーションに、ひいては自分の修士論文のテーマにもつながったことがあって。この瞬間の「ハマった!」という感覚はすごく楽しいです。黄:私は、その楽しさを追いかけて博士課程(後期)に進みます。試験も無事合格できました(笑)佐伯:宮城さんは就職、黄さんは進学と進路も多様ですよね。研究内容も多彩で、留学生が多いからさまざまな文化や価値観に触れられる。多種多様な価値観や考え方に触れられ関心を伸ばせるのは、メディア学専攻の良さなのでしょうね。13研究の醍醐味は「わかった!」瞬間の爽快感宮城:実は僕は、「メディア」というのはふわっとした概念だと、学部生のときからずっと感じていました。ドラマひとつとっても、制作される背景を考えるなら社会状況について、売り方を考えるなら経済やマーケティングについても知っておかないといけない。

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